《うつ病体験克服への道》~すぐに謝ってしまってごめんなさい!~
申し訳ないけどこれが病気なんだ
うつ病の時って、相当自尊心が低下しているみたいで、すぐに謝ってしまう。
その真っ只中にいる本人は気付いていないのが怖いところだ。
私も当事は自分が「ごめんなさい星人」になっていることに全く気付かず、普通に生きているつもりだった。
でも今思い返すと、何でもかんでもごめんなさいって言っていた気がする。
挨拶がわりのごめんなさいというところだろうか。
でも、たぶん、ごめんなさいという言葉のおかげで私は心を保っていたように思う。
普通の人は、明るく挨拶するとオールオッケーみたいなところがあると思うが、それと同じイメージだった。
なんでも自分が悪いと思って責任を引き受けて罪悪感を浴びれば、オールオッケーだと思っていたのだ。
だから、当事の私はまるでいいことをしているつもりで、所構わず謝っていた。
ある時に、友人に言われた。
「すぐ謝るよね〜。何も悪いことしてないのになんで謝るの〜?謝られると嫌だよ。逆にやめた方がいいよ~!」
ハッとした。
初めはビックリしたがだんだんショックを感じた。
だって、私としては挨拶ばりにいいことしているつもりだったんですよ。
それを逆にやめた方がいいと言われたら、これに代わる言葉は何を言えばいいの?
分からなかった。
自分が悪いと思うことでいい事しているつもりだったが、実はその裏にこんな心理が隠れていた。
「謝らせてくれないと心が落ち着かないんだよ」
「自分が悪いという気持ちでいつも一杯なのに、謝れないなんて胸が苦しいよ」
謝ることを否定されることがこんなにパニックになるなんて。
それからは、謝りたくて仕方なくても、できる限り我慢した。
謝れないことが、余計に心を締め付けた。
謝れないことで、言いたい言葉をまた飲み込むようになった。
謝れないことで、相手に嫌な思いをさせてしまったんじゃないかと不安が増した。
謝れないことで、相手の顔色が余計に気になった。
すぐに謝ってしまってごめんなさい。
胸が張り裂けそうだった。
お願いだから止めないで、これがうつ病の症状なの。病気なんだから。
悲しかった。
今になったら分かるよ。私のためによかれと思って言ってくれた大事な友人の言葉。
だが、うつ病の私にとってはひどく心に傷を残す出来事となってしまった。