《うつ病克服体験記》〜他人軸で生きて、トラブルを回避〜
対人関係に勘違いしていたうつ病時代
トラブルが怖くて、波風を立てないように生きてきた。
トラブルを予防するために、先回りして予測して、予め対策を練って行動する。
だから、疲れる。
行動する前に疲れる。
頭だけが忙しかった原因がコレだった!
とにかくトラブルになることが嫌だった。
トラブルって言っても大きなトラブルだけじゃなくてほんの小さなことでも怖かった。
自分の意見を言うこともトラブルになりかねないと思っていたので、避けた。
『意見は何事も相手に合わせる!!!!!!』これが鉄則だった。
だから、相手によって自分の意見を変えた。
ある人の前ではハンバーグが好きと言い、ある人の前ではハンバーグが嫌いと言った。
それを記憶しておくだけでも一苦労だった。
そもそも私は、自分の意見を言ったり、自分の希望を伝えたりすることが、相手を否定してしまうことだと思っていたのだ。
相手と同じ意見でないと嫌われてしまうと思っていたのだ。
この考えでは、日常生活に支障が出てくるのも当然である。
コミュニケーションは、精神的に自立した者同士なら噛み合うが、うつ病の頃の私のような勘違いをしている人間が他者とコミュニケーションを図ると、被害妄想や勘違いが生まれて面倒なことになる。
当時は、かなり被害妄想をしていた。
「あの人に嫌われてしまった。人生終わった。」と何度思ったことか。
病気の時は、ふざけて言っているわけではなく怖いくらい本気でそう思った。
でも実際は、自分の意見を言ったくらいで嫌われるものではない。
本当のコミュニケーションの図り方を早く知りたかった。
人と人の間には、境界線がしっかりとあることを知らなかった。
自分にも境界線があるように、相手にも境界線がある。
それが前提にある者同士でコミュニケーションを図れば、本音を言い合ってもトラブルは起きない。
うつ病当時の私は、境界線というものは全く無くて、相手の心に土足で踏み込み、私の心の中にも相手を大歓迎して呼び込んでいた。
だからすぐに周りの人に影響されて心は乱されて、自分というものを作り出すことができなかった。
他人軸で生きていた一つの原因であった。
悲しいことに、トラブルを避けようとして生きていたつもりが、トラブルになる原因を自分で作っていたわけだ。