《うつ病克服体験記》〜0か100、白か黒、〇かX、私の思考パターン〜
思考パターンを変えたい
うつ病になりやすい性格のひとつとして、0か100の思考、白か黒、〇かXかの思考の人とよく言われている。
案の定、私自身もまさにその思考の持ち主であった。
しかし、これを認識しても思考を変えることは本当に難しく苦労した。
体調が悪いと早くどうにかしなきゃ、そのためには一生懸命頑張って立ち直るしかない、時間ばかりすぎているからこれ以上時間を無駄にしたくないという気持ちが芽生える。
そうなると必然的に、自分の出来る範囲の100%をやろうと思うのだ。
これを70%80%くらいに抑えた方がいいとよく言われた。
しかし私の考えでは、
「体調が治るの遅くなるし、時間もかかる。もっと慌てないと体調が悪いまま人生が終わってしまう。何を呑気なことを言っているんだ」
こう思っていたのだ。
だから、この0か100の思考のパターンに気付いたあとでもそれを抑えることの意味が分からなくて納得のいかない状態では自分自身が変わっていくことはなかった。
しかし、その思考のパターンに気付き始めてからも同じやり方で社会復帰を試みた結果、何度も失敗を繰り返したことで、少しずつこの思考のパターンが原因なんだと薄々感じ始めた。
このやり方では上手くいかないんだ。
もしかしたら、私が正しいと信じてやっている考えは間違っているのかも。
初めて自分の考え方を疑い始めてから、少しずつ思考のパターンを変えたいと思うようになっていった。
人生は長い。何事も長続きさせるためには100%のフル稼働状態では難しいんだ。
そう気付いた。
70%くらいで持続できるようにしよう。と心に決めた。
すぐには出来るようにはならない。
それもそのはず。
この思考パターンは私の生き方全てに関わっていたからだ。
『うつ病を治すために、100%でなんでもやろうとしていた』
『自分の体調も、100%元気になることを求めていた』
『友人関係にも、100%の良好な状態を求めていた』
『自分の過去にも、100%思い通りで無かったことを悔やみ続けていた』
『自分の未来にも、100%を望んでいた』
全てのことに対して、「100%」「完璧」「完全」「最高」を求めていたのだ。
理想が高すぎるといえばその通りであった。
これに気付いたとき、自分の中では一生懸命頑張ってそれが美徳だと思っていた生き方そのものが、自分を苦しめていた罠だったということを痛感した。
何事に対しても、100%の完璧な完全で最高な状態を理想に掲げることで自分が向上できるんだ、とうつ病になる前はもちろん発病後も5年近く信じ続けていた。