『大丈夫!~家族がうつ病になった時に5つの大事な心構え~』
うつ病の家族への正しい対応・接し方
うつ病は、なんの前触れもなく突然やってくる病気です。
本人はもちろんですが、それと同時に家族もかなり動揺してしまうと思います。自分の家族が辛そうにしていたらどうにかしてあげたいと思うのは当然のことだと思います。
そのときの家族の対応が、うつ病本人のその後に大きく関わってくるのです。一緒にいる時間が長いからこそ、対応が非常に大切になってきます。
苦しんでいるときに、誤った接し方をしてしまうと言い合いになってしまったり体調を悪化させてしまうことも多く、悪循環へと陥ってしまう恐れがあるのです。
一方で接し方次第では病気の悪化を食い止め、回復の後押しともなりうるのです。
家族がうつ病のになってしまった時に重要な心構えを幾つか紹介していきたいと思う。
1.焦らずに、どっしりと構えること
まず家族がうつ病になってしまったら動揺して落ち着いてはいられないと思います。しかし、それで家族が焦ってバタバタしてしまうと、うつ病本人は「私のせいで家族を心配させてしまっている」と自分で責めてしまうのです。
それが続けば「もう家族に弱っているところは見せられない、元気に振舞わなくてはいけない」と思うようになってしまいさらに病状は悪化してしまいます。
また、動揺するあまり家族がうつ病になってしまうことも少なくありません。それでは家族が皆困ってしまいます。
目先のことに一喜一憂することは辞めて、出来るだけ家族は普段どおりの生活を心掛けることは大切です。
また、病気に対して「誰でもなりうる病気なんだ」ということと、「絶対に治る病気だ」ということをはっきり認識して、どっしり構えていてください。
うつ病本人は言葉に出さなくても雰囲気から家族の想いを感じているのです。不安を感じているときに、家が安心する雰囲気だと安心するのです。
2.うつ病であることをしっかり認めること
今となってはかなりうつ病は認知されてきており、TVなどでもたびたび特集が組まれたり、書店に行けば多くのうつ病に関する書籍が並んでいます。
ですが、まだ人によっては精神的な病気に対して「甘え」「怠け」ひどい場合は「キチガイ」などと言う誤ったイメージを持っている人がいるのも事実です。
また、多少知識があっても自分の大切な家族がうつ病になるとなかなか認めることができないという人もいるようです。
家族の協力が不可欠となるうつ病治療において、誤った対応をして深く傷つけてしまう
ということは絶対に避けたいことです。
うつ病は決して特別な病気ではありません。心の弱い人がなる病気でもないのです。
そこをしっかり理解し、心から病気を認めることでうつ病本人も自分を否定する気持ちが減り、速やかに治療が進んでいくことでしょう。
3.否定すること・批判すること・強制することをしない
家族としてうつ病本人と接する時間は長いと思います。同時に会話をする機会も多いと思います。
辛そうに落ち込んでいる本人を見てなんて言ってあげたらいいんだろう?と当然家族は悩むと思います。
そこで気をつけるべきポイントは3つ「否定」「批判」「強制」となる言葉を言わないことです。ただでさえうつ病本人は自分自身を否定してしまいます。それ以上否定されることには耐えられないのです。
また病気で辛い中でも何とか頑張ろうと力を振り絞って生きています。何か強制されることも負担にしかなりません。本人は既に最大限の努力をしているのです。
だからといって腫れ物にさわるように接することもいけません。そのような遠慮はうつ病本人は敏感に感じ、余計にモヤモヤしてしまいます。
出来るだけ本人の気持ちに寄り添ってあげるようにして、敏感になっていることを認識し言葉選びは慎重に行いましょう。
4.規則正しい生活が出来るように手助けをする
うつ病になると、常に体がだるくてささいなことがとても苦痛に感じるのです。健康な人が当たり前にやっていることが一苦労なのです。
例えば、朝起きることも大変です。家族は朝起こしてあげたり、前日に準備をするように手伝ってあげたりもいいでしょう。
食欲がなくなってしまうこともあるでしょう。その時は食べるペースを合わせてあげたり消化の良いものを用意したり、やれることだけで構いません。
うつ病になると当たり前に行っていた生活の習慣が乱れてきてしまいます。それに対して責めることなく、出来るだけ規則正しく生活出来るように協力してあげることはうつ病本人にとって大きな支えとなり、活力にもなります。
病気の悪循環から抜け出すきっかけにもなるでしょう。
5.病院やカウンセリングなど家族向けのプログラムに参加してみる
近年、うつ病に対するアプローチがかなり変わり、うつ病本人向けはもちろん家族を対象にするプログラムが増えています。
うつ病の治療に家族の対応は大きく影響するのです。だからこそ、家族がストレスを溜めてしまってはいけません。
正しい病気の知識を高めるだけでなく、日頃の接し方を学んだり、悩みを共有することで新たな方法が見つかるかもしれません。
家族が心労で疲れきってしまわないように自分自身の健康は第一に考えつつ、バランスを保ちながらうつ病本人と接していくことが大事です。
~まとめ~
うつ病本人は家族に対してこれといった解決策を求めているわけではありません。むしろそのようなアドバイスは逆効果になることが多いのです。辛いという思い、苦しいという気持ちをただただ理解してほしいのです。
どんな時でも味方だよという揺るぎない家族の気持ちが安心感となります。
うつ病は今日明日ですぐに治る病気ではありません。長期戦には家族のサポートが必要不可欠です。
うつ病の家族がいると、うつ病本人の体調や将来の不安など多くの悩みに直面すると思います。しかし、そんな時に家族が一体となって病気に立ち向かうことが回復への近道となるのです。