【共依存かもしれないと思ったあなたへ】その特徴と原因・克服方法を詳しく紹介!
「依存」という言葉はみなさんよく耳にすると思います。例えば、アルコール依存、ギャンブル依存、買い物依存などで、これらの依存は人が何らかに頼って存在、又は生活している状態をいいます。
今回は、依存の中でも「共依存」と言われ、過剰に依存しあう人間関係についてまとめていこうと思います。
共依存とは
共依存とは、依存者とサポートする人が互いに過剰な依存関係にあることを言います。相手に必要とされることで自分の存在意義を見出し、安心感や生きがいを感じる状態です。
特に見捨てられる不安を抱えている人や自分に自信が持てない人は、他人から認められないと安心できません。
無条件に自分自身を認めることができないので、人から愛されることで自分の存在意義を高めようとするのです。
そのために、自分を犠牲にして、人から認められることを優先し、自分を押し殺して無理をしてしまいます。過剰なまでに相手に尽くし、献身的な行いをすることで自分の価値を見出そうとするのがよく見られるケースです。
重症化すると無理をしていることにも気付かず、これが自分の性格であって、傷付くのも当たり前だと思い込んでしまっている場合もあります。
共依存になりやすい人の特徴と原因
●自己肯定感が低い
●自分の気持ちを押し殺し、我慢している
●自分の気持ちを人に伝えるのが苦手
●相手の問題を解決しようとする
●相手の問題なのに自分のせいだと思ってしまう
●相手を助けないと罪悪感を感じる
●自分以外の人に感情移入してしまう
●断ることが苦手
●周りの人の気持ちばかり考えて先回りしてしまう
●相手に合わせておくと安心する
基本的にはいい人・優しい人が多いのですが、自分と他者との関係を線引きすることが苦手で、どうしても人との関係性を曖昧にしてしまう傾向があります。
その原因は、幼少期に何らかの出来事や環境が影響している場合がほとんどです。
自分の気持ちを自由に感じて表現することを許されなかったり、我慢をしなくてはならなかったことなど、自分が感じた思いのままに振る舞うことができなかったことが大人になってからの人間関係に繋がっていると言われています。
共依存になりやすい関係性
親子関係
よくあるパターンが、親子関係です。
子供は一人では何もできません。だからと言って全て親が先回りして子供の手助けをしていたら、いつまでたっても子供は自立することができません。
自発的に行動する経験をせずに成長した子供は〝親がいないと生きていけない〟と依存が始まります。
また、何でも親が決めてきたので、子供は自分の気持ちややりたいことも分からなくなってしまいます。
それに、親側も〝私がやってあげないと子供が困ってしまう〟と手助けしないと不安になり、さらに深く子供に介入してしまうのです。
酷くなると、親は子供に頼られることを生きがいと感じてしまい、子供が自立することを無意識に妨げようとしてしまうのです。
恋人・夫婦関係
自分より相手の世話ばかりする人や、相手の世話をしてあげることで自分の価値を感じる人は要注意です。
彼の機嫌ばかりを伺い、気持ちを想像して先回りして身を削って尽くしたり、相手をコントロールしようとしたりしてしまうと共依存関係になりやすいです。
自分の価値を、相手の評価を委ねてしまっている状態なので、いつまでたっても心が満足できません。そのような関係性は、お互いがダメになっていくことが多いです。
友人関係
友人関係でも稀ですが、共依存関係になることがあります。
友人から頼られるとどうしてもほっておけない人や、自分の都合を犠牲にしてまで相手に合わせてしまう人は特に共依存になる危険性があります。
また、友人が自分以外の友人と仲良くしているのを見たときに嫉妬心が生まれるなども共依存の傾向だと考えられます。
一緒にいたい気持ちもあるのに、一緒にいると何だか苦しくなるという状態は要注意です。
共依存を克服する方法
小さなことから自分で決めるクセをつける
誰かに依存していると、自分で物事を決めることが少ないと思います。決断を人任せにしてしまうと、心理的にもその相手に依存してしまいます。
依存状態にいると、自分の気持ちや自分がどうしたいと思っているのか分からなくなってしまっている場合が多いです。
ですから、日々の生活の中で小さな選択から自分で決めてみることから始めてみてください。
今日は何が食べたいか、何を飲みたいか、どう過ごしたいか、一つ一つのことを自分で決めるクセをつけるように意識して過ごしてみてください。
初めは、自分の感情が分からなくて戸惑うかもしれませんが、自分の心に向き合うことを繰り返していれば次第に自分の気持ちを感じることが当たり前になっていきます。
自分の気持ちを人にしっかり伝える
依存しやすい人は、自分の気持ちを主張することが苦手です。
どうしても波風を立てたくない、トラブルを避けたいという思いで、自分の気持ちを抑えてしまう傾向があります。
しかし、相手の気持ちを優先するばかりに、自分が犠牲となり疲れきってしまい、心がすり減ってしまうことも少なくありません。
他人の評価が気になると、自分の意見を言うことを恐れてしまうかもしれませんが、より良い人間関係を築くためにも、自己表現することは不可欠です。
自分自身の気持ちを大切にして、気持ちを伝えることで、無理なことを強いられることを無くし、自分のやりたいことがやれる、そうすることで誰かに頼らずして自分で自分の人生を切り開いていくことができるのです。
一人の時間をつくる
誰かと一緒にいないと落ち着かない、人といないと喜びを感じれられないという人は依存しやすい人には多い傾向です。
初めは、一人でいても退屈に感じるかもしれません。しかし、自分一人でも落ち着けるようになると人に振り回されることや、誰かに認めてもらわないと存在意義を感じないことから開放されるでしょう。
一人の時間の中で自分自身の心と対話することは、自分を自分で認める作業にもなります。すぐに認めることは難しくても、自分の気持ちを感じて、それを認識することで自分自身を大切にすることができるようになります。
共依存に悩んでいるときに役立つ本
共依存かもしれないー他人やモノで自分を満たそうとする人たち(10代のセルフケア)
共依存かもしれないと思ったときに、非常に分かりやすい一冊です。共依存とは何か、どのように気持ちと向き合い気持ちを伝えるのか、特に人間関係に悩む方は心が楽になると思います。十代の子向けとタイトルにあるように、表現が優しく読みやすく書かれています。内容は幅広い年代の方に参考になると思います。
おわりに
共依存を克服するということは、今までの価値観とはお別れをして、新しい自分の価値観を構築していくことです。
変化をするということは、不安や戸惑いを感じるものです。焦らずに、未来を信じて、できることから少しずつ取り組んでいってほしいと思います。
自分自身を大切にして、自分の人生を歩むことが、何よりも心が満たされることと思います。穏やかで素敵な毎日が訪れますように。
※合わせてお読みください。