《うつ病体験記克服への道》〜増え続ける薬と1分診療〜
増え続ける薬と1分診療
心療内科には定期的に通っていた私は、抗精神薬を処方されていた。
毎日の言われた通り薬を飲んでいたが私はそれが効いているのかよく分からなかった。
特に不安が減るわけでもなく、苦しさが軽減することもなかった。
むしろ不安でいっぱいだった。
しかし病院へ行き、あまり体調は変わりません、元気も出ないし、学校に行くのも辛いです、と伝えるともう少し薬を増やして様子を見ましょうと言われる。
それも1分で診療は終わりだ。
これはなんだろう。今になって思うが、果たして薬でうつ病は治るのだろうか。もちろん場合によって対処療法になることはあると思うが、根本的な治療になっているのか疑問だ。
実際わたしは投薬治療の間は体調は何も良くならず悪化する一方だった。
病院に通って治療しているのに良くならないという焦りも悪化を助長した。
もっと心の問題に触れるべきだった。
心の病気はただジッと休めば治るわけではない。まず疲れ切った心を休めることは大事だが、そのまま今までと同じように生きていても同じことを繰り返してしまう。
これがうつ病はぶり返すメカニズムだろう。
わたしもそのころは、それまでの疲れが溜まりに溜まってうつ病になったのだから、薬を飲んで少し心を休めて、ある程度したらまたエネルギーが蓄えられて元気になれるものだと思っていた。
でもうつ病ってそんなもんじゃない。
心と向き合って、それまでの生き方を変えて行くことが本当の治療なのだ。
それに気付くことがまず大変だ。それはタイミングとか環境とかいろいろな人との出会いとか運とかもあると思う。
わたしはその後5年くらい気付かなかった。
その間、5年ほど病院で投薬治療のみを続けていた。
うつ病が考え方や生き方を変えないと治らない病気だと知らなかったから。
薬を飲んで、早く治すために忍耐強く頑張ることでが治るんだと信じていたから。