《うつ病体験記克服への道》~カウンセリングで失敗した話~
カウンセリングでの失敗談
うつ病と診断されて半年後くらいに、一度だけカウンセリングを受けたことがあった。
だが、そのときの私は自分の感情を見失い、周りに合わせて愛想をふり、適当に当たり障りない発言をして、出来る限り周りに合わせ元気そうに振る舞う毎日だった。
あろうことかカウンセラー相手にも同じことをしてしまい、カウンセリング後にドッと疲れてしまいカウンセリングなんかもう絶対に行きたくないと思ったのだ。
それから数年、当時カウンセリング批判をしていた私だが、あの頃の私はカウンセラーにさえ心を開くことができず、ただただ無理をする場になってしまっていたことに気付いたのだ。
心を開くことができなかったというよりも、私に、自分の本心というものがしっかりとあることを知らなかったと言った方がいいかもしれない。
無理を続けて、元気な自分を演じて本来の自分を隠し続けると、その隠したものさえ何なのか分からなくなってしまうのだ。
その時の私は、もうほとんど感情がなくなってしまっていた。
カウンセラーとの会話もうわべでしかなかった。
今思い出すと、カウンセラーにも嫌われたくないと思っていた。
カウンセリング中に話す悩みも出来るだけ綺麗に感じ良く伝え、最後には「なんだか気持ちが楽になりました、ありがとうございます」と思ってもいないことを言ってカウンセラーに好かれようとしている自分がいた。
とても悲しいが、人と人の接し方が本当に分からなくなっていたのだ。
うつ病になる前は人とコミュニケーションをとることが大好きだったのに、人間関係に悩むようになった。
自分というものが分からなかったし、人を信じることもできなかった。
弱い部分を人にさらけ出すということを知らなかったし、状況が悪くなることでさらにそれができなくなっていった。
無理をしている自分に気付き、本来の自分というものを見つけていくこと、さらに自分の軸を築き上げていくこと、これらに取り組む時期だったのだろう。
きっとそれを教えてくれるために体に不調が現れたのだろう。
だが、この病気はとても厄介なことにそこに気付きにくいように罠が仕掛けてあるように感じる。
頑張ることで結果が出ると思っている人がなりやすいうつ病。
「努力は報われる」をモットーに生きていた私。
そんな人が困難にぶち当たったら、もっと頑張らなくてはと思うのが当然だ。
こんなに苦しくて辛くて人生がうまくいかないのは、まだまだ努力が足りないんだと思った私。
どれだけ辛くても耐えてなくては。諦めたらそこで終わりだ。
こんな考えを持っていた。今考えたら馬鹿みたいで、クスッと笑える考え方なのに、うつ病のころの私は悩みに悩んで真剣に考えているのだった。