【うつ病治療】1日も早く治したいけど、頑張らなくていいの?頑張らないといけないの?
うつ病の治療中、よく疑問に感じていたことがあった。
それは、結局のところうつ病を治すために、頑張らないといけないの?頑張っちゃいけないの?
うつ病の私にとっていったいどっちなのか分からないなんていう状況が度々訪れたのである。
うつ病の人に、頑張れということはプレッシャーをかけることになるため禁物であることは有名な話である。
しかし、本当に頑張らなくていいのかといえばそれもまた違う。
私自身もこのまま頑張らないだけで病気が良くなるとは到底思えなかった。
しかし頑張る気力は1%も残っていないことが現実だった。
筆者の経験談からうつ病治療での「頑張る」についてお話したいと思います。
気楽に読んでいただけると嬉しいです。
うつ病の治療って分かりづらい、ハッキリして!
うつ病になると、まるで複雑な迷路の中に迷い込んだように感じる。
あちこちに罠や行き止まりがあり一筋縄にはいかないので、心が折れそうにもなる。
時間のかかる道のりであるからこそ、一歩間違えるとうつをこじらせ長引いてしまう。
また、うつ病になった原因や考え方や環境が人それぞれ違うため、治るための道のりも人それぞれ違う。
全ての人に共通する治療法がないことも難しいところだと思う。
うつ病治療に関する情報が溢れてきている今、一昔前よりも理解あることに心救われている人も多い反面大きなデメリットもある。
情報ばかりが先行し、あれもこれも取り入れようとして結局は一貫性を失ってしまう人が多く、うつ病の複雑な迷路の中に深く迷い込んでしまう。
これは、うつ病が想像以上に辛く苦しいものだからこそ皆1日も早く治したいという気持ちの表れから来ることだろう。
だから今、うつ病がかなり認知されてきたからこそ、しっかりと情報を分別して回復に必要な物のみ取り入れていきたいところである。
頑張れは禁句って言うけど....どういうこと?
筆者の闘病経験上、この「頑張る」という言葉がいつも引っかかっていた。
〝頑張るのはやめてゆっくり休養を取るようにと言われる。
周りの人に頑張ってと言われるとプレッシャーになる。
でもこのまま何も頑張らなくて本当にうつ病は回復するの?〟
これが当時私が疑問に感じていたことだった。
そこで、うつ病回復にあたって頑張ることと頑張らないことをはっきり区別していきたいと思う。
頑張ること
うつ病を受け入れて認めること
うつ病などの精神疾患だと分かった時にすんなり受け入れる人の方が少ないと思う。
なぜ私が?こんなはずじゃないのに。
そう思うのも無理もないことだろう。
筆者も受け入れることが長らくの間できなかった。
病気を認めてしまったら、過去の努力や頑張りを否定する気がしたからだ。
しかし、振り返ると病気を受け入れた時に初めて治療のスタートラインに立てたと思う。
病気を受け入れて認めることは頑張ることである。
自己嫌悪しないこと
闘病中は、上手くいかないことや出来ないことが増えていき自己嫌悪に陥ることが度々あると思う。
しかし、自分を責めることは何も意味のないことだ。
自己嫌悪して、心を落ち着かせた気になっているだけで、治すためには逆効果になる。
病気を認めることにも通づるが、上手くいかない自分も認め、出来ない状態であることも認めることが大事だ。
自己嫌悪をやめることは頑張ることである。
出来ないことは断ること
周りに無理難題を押し付けられても、断れずに頑張ろうとしてしまう人は多いと思う。
これは、うつ病が悪化すればするほど相手に迎合するようになるから度を増して断ることが怖くなる。
そこで言いなりになっていては、治るものも治らない。
YES MANはやめて、NOと言える人間になることを決意しよう。
出来ないことを断ることは頑張ることである。
人間関係を整理すること
無理した人間関係に嫌気がさしているにもか関わらずなんとなくそのままの状態が続いている人は、恐れずに整理することが大切である。
短い自分の人生において、本当に必要な人間関係なのかをもう一度見直し、体調不良に繋がるストレスになる人間関係は思い切って排除することである。
勇気のいることだが、人間関係を整理することも頑張ることである。
自分の気持ちを人に伝えること
自分の気持ちを人に伝えることが苦手なのはうつ病の特徴ともいえる。
人は言わなくても分かるというのは大間違えだ。
言わなきゃ伝わらないのである。
自分の気持ちを人に伝えることができるようになるとうつ病の状態が激変するだろう。
自分の気持ちを人に伝えることは頑張ることである。
病院やカウンセリングに頼ること
心の病で病院に行くことが恥ずかしくて自力でなんとかしようとしてしまう人もいると思う。
うつ病になる人は、元々完璧主義な人が多い。
自力で治そうとすると、さらに頑張ろうとして自分で自分を追い詰めてしまい病状が悪化してしまう恐れがある。
怖がらず、病院やカウンセリングに頼ることも頑張ることである。
ギリギリでも生き続けること
うつ病になると、死んだ方が楽だと思ってしまうことが多々あると思う。
うつ状態になり、辛さすぎてどうしようも出来ない時が、うつ病の一番の苦しみだと思う。
その状態を抜け出すことが自力では難しいことなのは重々承知だが、死ぬ以外の方法で何とかして生き延びしてほしいと思う。
ギリギリでも行き続けることは何とかしてでも頑張ってほしいことである。
頑張ってはいけないこと
自分一人でなんとかしようとすること
人に頼ることが苦手で、自分で頑張ればなんとかなると思っている人も多いと思う。
もっと頑張ろう、もっと頑張ろうとすると終わりがありません。
普段自分でやることが当たり前だった人にとって、人に頼ることはあり得ないことかもしれません。
少しずつ慣れていくので、自分一人でなんとかしようとすることは頑張ってはいけません。
感情を殺して無理をし続けること
うつ状態が苦しいあまりに、もう感じたくない、気持ちを感じなければいいんだと感情を殺してしまう人がいると思います。
感情を押し殺すことは、うつ病治療にとって回復から遠ざかるのみです。
本来、うつ病の回復には、罪悪感を無くし本当の自分の感情を感じることが不可欠です。
ですから、感情を殺して無理をし続けることは頑張ってはいけません。
元気そうに振る舞うこと
他人に気を遣いすぎて、心配かけまいと明るく振舞ったり無理やりテンションを上げてしまう人も多くいると思います。
しかし、嘘の姿を演じることは心のエネルギーを消費する一方です。
ありのままの姿でいることが、治療にはとても大切なことです。
元気にそうに振る舞うことは、頑張ってはいけません。
自分に喝を入れて奮起すること
いろいろな考え方を捻り出し、自分に喝を入れて気持ちを高めてうつ病を吹っ飛ばそうと考える人もいます。
また、周りの人に叱咤激励されることにより自分で自分に喝を入れることが癖になってしまう場合もあります。
しかしこれは心の治療の大敵です。
無理やりやる気を出しても長続きせず、全くもって意味がありません。
自分に喝を入れて奮起することは頑張ってはいけません。
おわりに
うつ病の治療は、目に見える変化が少なくて自分では分かりづらいことが不安を増進させますよね。
その不安が、悩みのタネとなりこれでいいのかとさらに不安になるという、不安のスパイラルに陥ります。本当に難しい複雑な病気だと感じます。
自分が今頑張ること、頑張ってはいけないことをしっかりと認識して、最後までそれを信じて貫くということも治療に必要なことかと思います。
うつ病で苦しんでいる方が、心穏やかな日常を少しずつでも取り戻せるように心より願っています。
その参考になってくれたら幸いです。