~生きることが辛いと思ったらチャンス、頑張るのやめよ!!~

普通の高校生がうつ病になった。うつ病に隠されていたメッセージとは....

《うつ病体験記克服への道》~引きこもりが、人生初めてのアルバイトをする話~

人生初のアルバイトに挑戦

初めてのアルバイト、多くの人が必ずといっていいほど通る道だろう。

人それぞれ時期も内容も状況もさまざまだが、初めてというのは何でも期待と不安で溢れている。

私が経験した初めてのアルバイトは、うつ病で引きこもりの時期だった。

私としては、一念発起して挑戦した話だ。

 

   

  

引きこもりという現実

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18歳の9月頃引きこもり生活を初めて半年ほど経っただろうか。

 

普通に大学受験をして、大学生活をエンジョイして、大学院にも行って、就職活動をして、働いて、少し経ったら誰かと結婚しよう。

 

こんなふうにぼんやりと将来を描いていた。

 

だが現実はというと、高校をなんとか卒業したものの、もうその頃はうつ病の状態が悪すぎて、もう一度勉強して大学受験をする頭脳も体力もなかった。

 

かといって、これといったできることも得意分野もない。

 

家にいて将来のためにやれることはないのか、何もない私にでもできることはないだろうか、いろいろと考えを振り絞るが何も出てこない。

 

将来どうやって生きていけばいいの?食べていけるかな?

 

もう生きる気力なんてないのに、それでもこれから生きていくことを心配しないといけない。

 

どこか矛盾している感じがしていたが、仕方のないことであった。

 

将来何不自由なく生きていくために、勉強して大学に行こうと思っていたのに、予想外のうつ病になり引きこもりになり、どうしたらいいのか不安で今までの人生はなんだったんだと自暴自棄になった。

 

でもいつまでも嘆いていても誰かが助けてくれるわけではない。

 

助けることができるのは自分自身だけだ。それを分かっているいるからこそ苦しかった。

 

過去を振り返って悔やむことばかりしていたが、なんとか変えていかないとと思った。

 

アルバイトを決意

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もう1から始めるしかないと思い決意した。高校生まで勉強漬けでアルバイト経験がなかったが、とりあえずアルバイトを始めてみることにした。

 

しかし問題は、毎日体調が悪すぎて、外出する予定が立てられないこと。支離滅裂だが、もう電話しちゃえーと勢いで面接の日を決めた。

 

将来のお金の不安を解消したい。自分で人生を切り開いていかなくては、と思い体調のことは考えないようにしてアルバイトの面接にいくことにした。

 

うつ病にありがちの、とりあえずの緊張感が勝って、面接にはいけた。

 

初めてのことで不安だらけだったので、とりあえず短期のバイトにすることにした。

 

スーパーでたまに見る、試食販売する人だ。

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ソーセージとかベーコンとかお肉コーナーの試食販売だった。

 

もともと食べることが大好きで食関連のアルバイトがしたいなと思っていたので、このアルバイトをチョイスしたもう一つの理由だ。

 

初めてのことだから少しわくわくした。これをきっかけに病気が治るかもしれないと期待が膨らんだ。

 

病気だからってうじうじしていてはダメだ。自分で前に進まなくちゃ。このまま引きこもりなんかではいられない。

 

面接から一週間後のアルバイト初日まで、気合いを入れて気持ちを高めて過ごした。

 

不思議と何か新しいことを始める前はいろいろな期待と緊張感からか、体調が良くなった。

これももしかしたらうつ病あるあるなのかもしれない。

 

今思うと、気が張っていただけだと分かるが、当時はこれでよくなるんだ。人生が変わるんだと過度な希望をもってしまっていた。

 

うつ病の心の起伏は、上がるときも落ちるときもかなりのエネルギーを消費する。

 

 これを繰り返していたが、その時はがむしゃらでそんなことには気付かず、今度こそは普通の生活を取り戻すんだと、気合いと喝を自分に入れて頑張ることにした。

 

 

   

 

 アルバイト初日

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そしてアルバイト当日、慎重派で失敗を恐れる性格のわたしは集合時間の1時間以上前に着き、ドキドキしながらスーパーの前をウロウロしていた。

 

全然気持ちが落ち着かず、アルバイトはどんな感じなんだろう、上の人はどんな感じだろう、うまくできるかなと早く来すぎたあまりに不安ごとばがり考えしてまった。

 

 

また、普段引きこもりで家の中にこもっていたので、朝の太陽が眩しくてさらに緊張感が増していった。

 

そして、集合時間がやってきてスーパーの中に入り、上の人の元へ行った。

 

引きこもり生活が続いていたので人と接することもかなり久しぶりで、かなり心臓はバクバクしていた。

 

対人恐怖症ぎみだったわたしはそのオドオドした感じを隠そうと、必要以上にキビキビしてテンションをあげて笑顔を無理やり作り、声を張って頑張った。

 

やっぱり人と接することは疲れる。そう感じたが、本番はこれからだ。

 

今から店頭にたって、ソーセージの試食販売を始めるのだ。そのバイトは人の多い土日にあるので、もちろんたくさんの人とコミュニケーションをとらないといけない。

 

バイトのチョイス間違えたかもと思ったが、もうやるしかない。

 

指定された服を着て、店頭に出てソーセージを焼き始める。めちゃくちゃ手が震えた。

 

外の世界が久しぶりすぎて、なんか前より対人恐怖感が増している、そう感じた。

 

しかも声を張って周りのお客さんの足を止めてもらわないといけない。

 

「ソーセージいかがですか~?」意外とみんな通り過ぎていってしまう。

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その姿をみて、対人恐怖症のわたしは、

「皆私のことうっとうしいと思っているのかな?なんか雰囲気が怖いよ。」

と完全にネガティブ思考が発揮されてしまった。

 

「あんまり何度も呼び込んだらうるさがられるかな?でも売らないといけない、どうしよう、もう嫌だ。怖すぎるよ。」

 

こんな感じだった。完全に来る場所を間違えたなと思った。

 

対人に悩みに悩んでいる人がやるには、ハードルが高すぎた。

 

初めは手が震えて手から汗が出てきたくらいだったが、1時間を過ぎたあたりで体中から冷や汗が出てきて動悸がしてきて、体中の力が抜けていった。

 

前に同じ状態になったときに、そのあと顔面蒼白になり倒れたことがあったので、これはまずいと思いトイレにかけこんだ。

 

尋常じゃないくらいふらふらして、もうそのまま店頭には戻れなくなってしまった。

 

上の人に説明して、半日で帰宅した。

 

またもや、失敗。上手くいかなかった。なにもできないわたし。

 

バイトひとつ出来ないのに、どうやって生きていくの?悲しくて悔しくて、その日は朝まで泣きはらした。

 

これが引きこもりの私が人生初のアルバイトに挑戦したときのお話だ。

 

余談 

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 最後までアルバイトの任務を果たせずに途中で帰ってきてしまったので、その日の給料をもらえると思っていなかったのですが、働いた時間の分だけもらえたのでビックリした。

 

「1250円」、これが人生で初めて稼いだお金でした。

 

こんな苦い思いをした初アルバイトだったが、初めて自分の手でお金を稼げたことはとても嬉しかったし、もう少し頑張ろうかな、もう少し生きてみようかなという気持ちにもなったのもホント。

 

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