《うつ病克服体験記》~普通、お風呂って癒しの空間じゃないの?~
お風呂がとてつもなく面倒くさい
うつ病になってから、当たり前のようにやっていた日常のひとつひとつのことが、日に日に億劫になっていった。
毎日10キロくらいの重りを背負った状態で生活しているようだった。
中でも、病気になる前は大好きだったお風呂タイムが、うつ病になってからは苦痛で苦痛で仕方なかった。
病気になる前の私は、お風呂で半身浴したり、雑誌や本を持ち込んで、ゆったりする時間がとっても癒しで大好きな時間だったのに。
なぜこんなにお風呂に入ることが嫌なのか分からなかったが、病気になってからは拒否反応を示した。
お風呂に入らないと気持ち悪いのに汚くて嫌なのに、それでも入る気力が沸かない。
そうなると必然的に外出することが余計に嫌になった。
引きこもりを助長することになった。
また、女の子としてお風呂に入れないなんて恥ずかしくて仕方なかった。
こんな普通のことができないなんて、なんてダメなんだろうと自信を失った。
当たり前にやれるハズのことが、どんどん出来なくなっていることに、絶望感さえ生まれた。
早く病気を治して、精神的に自立して、金銭面も自活できるようにならないといけないのに、日常生活ですらままならない自分を見て希望どころか生きていくことができるのか不安ばかりだった。
出口の見えない日々だった。
お風呂でくつろげたり、リラックスできる感覚って当たり前のことではなかったんだと知った。
うつ病になって、出来ないことが増えたり、楽しかったことがつまらなくなったり、大好きだったことに興味がなくなったりして思ったことがたくさんあった。
全てのことに、当たり前はないということを身をもって感じた。
今当たり前にやっていること、誰でもできることだと思っていること、楽しいと感じていること、大好きなこと、それら全てが奇跡だということ。
大袈裟かもしれないけど、本気でそう思った。
できないことが増えたりうつ状態で惨めな気持ちが強くなると、出来ている部分には目も行かず周りへの感謝なんて忘れて自暴自棄になってばかりだった。
全てが当たり前ではないし、明日どうなっているかなんて分からない。
少しずつだけど、自分の中で何かが変わり始めていた。