《うつ病克服体験記》〜親の価値観VS自分の価値観〜
自分の価値観の育て方
治す過程で、「自分の価値観」を構築することが絶対的に必要である。
今「自分の価値観」だと思っていることが実は「親の価値観」だったなんてことはよくある。
重要なことは、この考えは「自分の価値観」なのか、「親の価値観」なのか、を見極めること。
うつ病になる人は簡単にいえば「自分を生きていない」のだ。
これに気付くまでには時間がかかるが、気付いたところで初めて目の前の壁が現れる。
これをどう攻略して、乗り越えればいいのか。
まずは、その親の価値観という壁を取り壊す作業から始めないといけない。
しかし、親の価値観を正しいと思い完全に信じて生きてきたからこそ、それを壊すことに強い罪悪感を覚える。
気付くことすら困難なことである。
親に反することをするくらいなら壁を壊さなくていいと思ってしまう人も多いくらいだ。
現に私は、そうであった。
自分を生きていない。自分を作らないと。
頭では理解し、こう決意したものの、現実に行動に移そうとすると怖くて怖くてできないのだ。
トイレ以外の場所でトイレをしなさいと言われているようだった。
わたしが20年以上信じてやっていた常識というものを壊す作業が始まる。
頭が固く、適応することが苦手なうつ病のわたしにとって酷な作業だったが、勇気を出して行動するという日々を始めた。
自分の価値観を作るには、時間がかかる。
ひとつひとつの感情や考えが起きたときに立ち止まってじっくりと考えるしか方法がないからだ。
私たち人間は機械ではない。
だからひとつひとつ手作業でゆっくり塾考しながら、自分の考えであると判断したものを採用し、行動に移していく。
間違ってもいい。
違うかな?と思ったときにその考えは親の枠で考えていないか、自分の枠の中で考えているか、確認しながら行動する。
面倒だが、これが私が行ってきた自分を生きるためのプロセスだった。